総裁選と東アジア外交

いよいよ小泉首相の任期もあと1ヶ月。自民党総裁選が蓋を開けます。立候補者は今のところ安倍、谷垣、麻生の3名(河野息子も自称立候補者とはなっていますが)ですが、戦う前から安部総裁が見えているような気配です。言いか悪いかは別にして、我々国民からすると少し寂しい思いがあります。いずれの候補者も小泉改革を推し進めることを訴えており、内政的には、それを若干スローダウンする度合いの違いしかないように感じます。違うとすれば増税派と増税反対派ですが、増税しない限り今後の財政改善はないのは誰もが認めているところです。
そこで、大きな違いを出すとすればポピュリズムまたはナショナリズム鼓舞派か、それとも和合派かどうかの違いではないでしょうか。小泉さんは徹底的に敵を排除し、自分の政策を強引に推し進めました。その結果自民党の派閥体質は崩壊し、世論受けする首相になりました。こうした手法に対して長老や従前の派閥維持派は影も形も失い、不遇な地位に押しやられました。こうした反対勢力を排除するやり方は、確かに大衆受けはしますが、こういった手法に対する危惧が最近盛んに語られています。例えば、北朝鮮に対して拉致問題の解決が遅れ、ミサイルが何発も発射される状況にあって、もし小泉首相経済制裁やもっと厳しい処置を取ることに走ったら、国民はこぞってこれを支持したでしょう。彼がこれをしなかったのは、彼が根っからのポピュリストではないからと私は信じているのですが。
こうした大衆受けする政治は、考えてみれば恐ろしい一面を持っています。これは歴史が証明していることなので、誰も否定できません。こうした危険性を事前に消し去るブレーキは必ず必要になってきます。今最も暑い政治課題は東アジア外交です。対中、対韓、対北朝鮮問題は日本の生命線でもあり、靖国参拝も絡んで極めてホットな問題です。そして外交問題には必ずナショナリズムが付きまといます。今の靖国問題一つとっても、各国がナショナリズムをむき出しにした議論が交わされています。この東アジア外交に対して、各候補者がどんなスタンスで臨むのか?そこにその候補の特徴が現れるのではないでしょうか。小泉さんは徹底的に中韓の警告に対して聞く耳持たずの姿勢を貫き、現在の結果を生みました。これに対して候補者はどう考えるのか。是非意見を戦わしてほしいものです。特に安倍さんに期待します。
今日はこの辺で。