小川洋子「博士の愛した数式」読了

博士の愛した数式」を読み終えました。映画を最初に見てしまったため、小説を読むのをためらっていたのですが、たまたま行きつけの図書館に単行本があったので借りて読みました。確かに映画化しやすい、大変分かりやすくて面白い小説でした。小説の前半部分は正に映画そのもの。いや額ですね、映画の脚本が小説そのものでした。ルートが数学の先生になって、生徒に教室で語りかけると言うシチュエーションは映画オリジナルですが、その他は一致していました。ただ、オイラーの公式は映画の最後に出てきましたが、小説では若干早めに出てきました。これは映画の盛り上がりを計算しつくしたもので、脚本が選りすぐれていました。
数学または数字の不思議に触れると言う意味で、この小説は中学生ぐらいの若者に是非読んでもらいたいものです。読むのが嫌いな方は、映画を是非見てもらいたいものです。
映画では博士を寺尾聡が、家政婦の私を深津絵里が演じていましたが、映画を先に見たせいか、小説を読んでいると寺尾聡と深津絵理が目に浮かんできました。二人とも正に適役で公演でした。来年の日本アカデミー賞には二人揃って男女の主演賞にノミネートされていることは間違いありません。それにしても小川洋子の数学への造詣の深さには感嘆します。この小説から何人の児童、中学生が数学好きになったか、彼女は功労賞ものではないでしょうか。
こんなことを考えた中で、今日の新聞には、数学のノーベル賞と言われる「フィールズ賞」を辞退したロシアの数学者の記事が載っていました。やっぱり天才数学者の頭の構造は一般人とは違うものなのか?
今日はこの辺で。