ミュンヘンを観て

金曜の夜は映画鑑賞の日と決め、今日も夜会社の帰りに新宿で映画を見てきました。
何を観るか迷ったのですが、昨日の朝日新聞夕刊の映画評がすばらしかったスピルバーグミュンヘンを観ることにしました。1972年のミュンヘンオリンピック。もう30年以上も前の五輪で、私は当時16歳の高校生でしたが、恐ろしいテロ事件が発生したのはよく覚えています。確か男子のバレーボールで日本が金メダルをとったかと思います。しかし、この大会は血塗られた大会となってしまったのです。この事件によって大会が中断し、このまま中止にするか否かで論争もあったように思いますが、結局大会は再開しましたが、後味の悪い大会となってしまいました。この実話を元にスピルバーグが「シンドラーのリスト」風に、リアリズムあふれる展開で映像化した作品です。
スピルバーグの意図は、「テロへの復習は、再びテロを生む」でしょう。彼はすさまじい殺戮場面を通して、意図するところを訴えるのです。任務を忠実に実行する主人公、そして次第に苦悩の色を濃くするする主人公がよく描かれてはいます。しかし、後味がいい映画とは決していえません。この後味が、すなわち現在に至るまで、いまだに続くイスラエルパレスチナ・アラブの抗争、テロの恐怖の増幅なのです。
比べること自体ナンセンスなのですが、先週観た「三丁目の夕日」のラストがあまりにもすばらしかったので、この作品は70点の評価としておきます。
今日はこの辺で。