映画「ナイトメア・アリー」「ウェスト・サイド・ストーリー」

2022.08.06(土)ギンレイホールにて映画二題鑑賞。両作品とも2.5時間近い長尺映画のため、ギンレイホールの古い椅子での鑑賞は体にこたえます。体調が前よりはよくなったものの、長時間椅子に座ることは拷問に近い苦行で、映画の中身より体の痛さが勝り、まともな感想が書けないほど、集中できませんでした。

「ナイトメア・アリー」は、ブラッドリー・クーパー扮する野望に満ちた男が、とあるサーカス一座に出会い、そこで頭角を現したことから詐欺的な心霊商売を初めて成功。高額な報酬を支払う顧客から大金を巻き上げていくが、妻の理解を得られなくなり、ついには転落してしまうお話。野宿者を野獣としてサーカスの見世物にしていた一座で成功の足掛かりをつかんだ男が、転落の末、その野獣と同じ運命に陥ってしまうというラストは示唆に富んでいました。但し、この作品が今年のアカデミー賞の作品賞にノミネートされていたとのことで、何処にそんな魅力があるのか、私には理解できませんでした。

「ウェスト・サイド・スト-リー」は、言わずと知れた1961年ロバートワイズとジェローム・ロビンズが監督した傑作ミュージカルのリメイク版。リメイク版を監督したのが何とスティーブン・スピルバーグスピルバーグほどの監督がなぜこの映画を撮ったのかが、私には理解できません。なぜなら、ほとんど1961年作品と舞台設定もストーリーも音楽も変わらず、ほとんど同じだから。もちろん誰でも監督できるわけではありませんが、少なくとも61年作品を見ていれば誰でも作れるような、生き写しのような作品だからです。少なくとも、年代を現代に合わせてつくるとか、舞台を他の場所にするならわかりますが、どう考えてもそっくりな構成であり、リバイバルを見ているような感覚。主題曲「トゥナイト」の音楽もそっくり持ってきて、創造性が全く感じられないのが私の感想。それでもこの作品がアカデミー作品賞にノミネートされていたとのことで、賞をとらなくてよかったとつくづく感じた次第。61年版でアニタ役を演じたリタ・モレノが、別役の老人役を演じていたのは印象的でした。

とにかく、疲れた映画鑑賞の日になりました。

今日はこの辺で。