「大河原化工機事件」における警視庁公安部の捜査に断罪を

2023.09.24(日)NHKテレビにて「冤罪の深層 警視庁公安部で何が」のドキュメンタリーが放映され、興味深く鑑賞。観ていてはらわたが煮えくり返る思いを持つ、極めて悪質な捜査が行われたことが語られる。

冤罪の対象になった大河原化工機さんは、社員90人ほどの小さな会社ですが、噴霧器などの先端技術メーカー。そんな会社をターゲットにした警視庁公安部が、軍事転用可能な機械を中国に輸出したとして、3年近い内偵期間を経て社長以下3人を逮捕し、1年間近く拘留した末、起訴取り下げとなった事件。大河原化工さんは国と都を相手取って損害賠償訴訟を提起し、裁判の中で現職警察官が「事件を捏造した」との驚くべき証言が発せられる。この事件をNHKが丹念に追いかけ、各種の証拠と証言をもとに構成した見事な調査報道であり、これは称賛に値する。

外事5係、総勢20名の係が担当した事件だが、この5係は目立った実績をあげておらず、人員削減の話もあったとのこと。こうした事情もあり、担当警部補が調書を捏造したり、故意に破棄したりという違法行為を繰り返し、係長や課長も容認していた事実が浮かび上がる。裁判で証言した別の警部補は、自分の出世や組織の手柄のために強引に冤罪を作ったと証言。刑事事件における冤罪発生の典型例でもあり、許しがたい行為。逮捕され収監された3人のうち、お一人は病気で亡くなるという不幸まで作ってしまう。それでも警察は謝罪もしないという体たらく。本当に見ていて腹が立ってきました。

本裁判の判決が12月にあるのですが、これだけの証拠や証言がありながら、東京地裁の裁判官が、よもや原告敗訴にでもなったら、日本の裁判は「死んだ」としか表現できない状態であることが証明されるが、馬鹿な裁判官は何をするかわからないのが日本の裁判の現実なのだ。そうならないように願うのですが。

今日はこの辺で。