薬丸岳「逃走」

薬丸岳が、「家族」関係を主題にした作品「逃走」をスピード読了。

埼玉でラーメン店を営んでいる秋山という男が何者かに殺害される事件が発生。秋山は人柄がよく、正義感もあることから周囲から信頼されていた人間。特に駅のホームから転落した子供を助けるなどの逸話もあり、誰かに恨まれるような男ではない。そんな彼が殺され、彼のアパートも荒らされていたものの、金目のものは盗まれておらず、刑事の武藤は強盗ではなく怨恨ではないかと見る。そして一人の若い男、小沢裕輔が、その妹からの通報で事件に巻き込まれたのではないかとの通報が入り、血痕や本人が逃走していることから、傷害致死の犯人と特定され、逮捕状が出る。秋山と小沢に何があったのか、というテーマを追って、武藤刑事と、裕輔の妹の美恵子がそれぞれ裕輔の行方を追いかけ、真実が次第に明らかになっていく。裕輔と美恵子のきょうだいは施設で育ち、二人とも立派に育つが、親族に預けられ、虐待を受けてきた過去を持つ。それだけに二人は互いに助け合って生きてきたが、裕輔には美恵子には言ってない家族の秘密があり、裕輔は妹のためにそれは秘密にしておきたいことであった。そして今回の事件をきっかけに、更に意外な事実が判明することに。父と母に行方、裕輔と美恵子の関係など、和歌山を舞台にそれが解き明かされていくのであった。

薬丸先生の作品は非常に読みやすく、セリフが多いことから、字数も少ないため、同じ300ページでも、200ページぐらいの感覚で読めるため、1日で読了。

今日はこの辺で。