映画「ブルー・バイ・ユー」「ブラックボックス」

本日はギンレイホールにて映画二題鑑賞。入館すると悲しい知らせのチラシをスタッフからもらいました。ギンレイホールはかなり古いビル、銀鈴会館に入っているのですが、築63年ということで、耐震等などの問題もあるのでしょう、建替えることになり、入居しているギンレイホールも11月27日(日)をもって閉館するといいもの。1974年にギンレイホールとして誕生し、名画をたくさん上映してきた映画館がなくなってしまうとのこと。チラシには新しい入居先を物色中とのことですが、都心の近くにいい物件があればいいのですが。とにかくしばらくは、ギンレイホールで映画が観れなくなるのは大変残念。この映画館は今時のシネコンのようなゆったり椅子ではないですが、なんといっても年間パスが11,000円という金額で、最大54本映画が観れるというのが魅力。年配客が多いのですが、皆さん早い再会を待ち望んでいる表情が伺えました。

アメリカ映画「ブルー・バイ・ユー」は、幼少期にアメリカの里親のもとに移住してきた韓国人青年が、白人女性と結婚したものの、不法滞在とみなされ強制送還か裁判かという土壇場に立たされ、裁判を行うための弁護士費用調達のためバイク泥棒に加担してしまい、死ぬ覚悟までする物語。アメリカでは里親の間を転々とし、最後に養親になった男からは虐待を受けるという悲惨な人生を歩んできた青年。必死に支える奥さんと子供の可愛さが印象的。2000年以降は、こういった青年もアメリカ国籍を取得できるようですが、それ以前にアメリカに来た人には自動的には取得できない法律上の問題が、今でも強制送還を生んでいることが最後にテロップされます。大変感動的な作品でした。

フランス映画「ウラックボックス」は、300人を乗せた旅客機が墜落し、その墜落原因を突き止めていく男性が主人公。最初は機体の欠陥を主張するが、その可能性がなくなり、落胆するものの、彼は更に真相を突き止めるため活動し、ついには旅客機運転システムのハッキングが原因であることを突き止める。こうした緊張感あふれる映画はフランス映画では珍しいが、これも大変見ごたえのある作品。ついにはブラックボックスを池の中から発見し、墜落の真相を記録したデータを取得し、パートナー女性のところに転送。彼は運転中に車両がハッキングされパリに帰る途中に死んでしまうが、パートナーが最後の最後に真犯人の悪事を公の場でさらす。この最後の場面は「女神の見えざる手」の聴聞会でのどんでん返しの場面に似ていて痛快でした。

今日はこの辺で。