映画「前科者」「息子の面影」

 

新宿武蔵野館にて、珍しいメキシコ映画「息子の面影」鑑賞。メキシコからアメリカへの密入国が絶えないようだが、メキシコは勿論、中南米諸国からの違法移民も相当数に上る土地柄。トランプは国境に壁を築くと言って大統領になったが、バイデン政権になり壁建設は中断し、難民・移民が相当数に上る模様。本作は、国境近くに住むメキシコ人の若者二人がアリゾナに職を求めて違法移民となることを決意し出発したものの、途中で彼ら不法移民を食い物にする強盗団の餌食となり、死亡したという知らせが母親たちに届く。一人の遺体は確認されたがもう一人の遺体は確認されず、母親が国境近くに息子を探しに行き、驚愕の現実に遭遇するという話。途中で親切な若者に出会い、数日間寝食を共にして、情報も得るのだが、その若者も強盗団の餌食になってしまう。その若者を殺したのが実は・・・・。母親は死んだ若者を自分の息子のとして面影だけを抱いて帰ることになる。

翌々日の6月17日は、下高井戸シネマにて「前科者」鑑賞。有村架純が丸顔・眼鏡にイメチェンして、普通のまじめな女性保護司を演じる感動作。こんなに若い保護司がいるのかと驚いたのですが、彼女もまた重い過去を持つ女性。それは、中学生の時に浮浪者のような男に刺殺されそうになり、危うく友達の父親に助けられ、代わりにその父親が亡くなってしまうという過去。この事件を機に、犯罪者の更生のために尽くすべく保護司となっている。彼女が受け持つ生真面目な殺人の前科がある男は、もうすぐ景気が終了し、保護観察機関も終了し、晴れて自由の身となるはずが、自分の弟に出会ったことから、彼の人生も狂ってしまうことに。兄弟とその母は父親のDVを受け、母親は亡くなり、その後は施設で育ち、そこでもひどい暴力的待遇を受けた過去を持つ。そんな過去のトラウマから兄は衝動的に殺人を犯し、今は仮出獄中の身。そんな兄がある日弟と出会い、その弟がかつて兄弟を冷たく扱った警察官、児童相談所の女性職員を死傷させ、父親をも殺そうとしていることに気づき、兄は弟をかばうために手を貸してしまう。兄を信じていた保護司の悲しみや如何に。

久しぶりに涙が止まらない映画に出会いました。

今日はこの辺で。