堂場瞬一「アナザーフェイス」

堂場瞬一さんの小説は、結構ボリュームがあるので、今まで控えていたのですが、3泊4日の旅に出ることもあり、持参して初めての挑戦。「アナザーフェイス」のアナザーの意味は、妻が交通事故で亡くなり、子供の養育のため一線の刑事から刑事総務課という部署に移りっていた刑事がある事件を担当するため、第三者的な立場で事件に関与していくという意味と取りました。

銀行員の6歳の子供が何者かに誘拐され、犯人から1億円の身代金が銀行宛てに要求される。銀行は体面おあり1億円の金を用意し、父親に運び屋を依頼。受け取り場所は有名グループのコンサートが行われる東京ドーム敷地内。犯人は若い女性に受け取り役としてアルバイトで雇い、多くの刑事のいる中で雑踏に紛れ込まれ捕獲に失敗。1億円はまんまと犯人にわたり、子供は無事解放される。アナザーフェイスの主人公大友刑事が、銀行員親子の担当として、まずは子供から情報を引き出し、更にはコンサートのチケット購入者の割り出しまで、ほとんど事件のすべてを一人で解決していくようなストーリー。ほかの刑事は何をやっているの?と思ってしまうほどの独壇場の雰囲気。

そして事件の背後にあった銀行の過剰融資とリーマンショックによる返済不能となる中小企業の苦悩。大体真犯人が途中で何となく見えてくる展開だが、子供に深い傷を負わせた大人に対しての怒りが大友を事件解決へと導くことになる。

旅行にはいつも小説を持っていくのですが、せいぜい読めてページ程度。今回は頑張ってページぐらい読みましたが、本編ページの大作で、やっと本日読み終わりました。

この程度の小説は何とか200頁ぐらいにできないのか、と思った次第。

今日はこの辺で。