中山七里「騒がしい楽園」

中山先生の学園もの、それも幼稚園を舞台にしたミステリー、「騒がしい楽園」読了。

埼玉の田舎の幼稚園から東京世田谷の幼稚園に移動してきた舞子先生を主人公に、学園で発生する小動物の殺害・棄損事件が相次ぎ、ついには園児までが殺される事件が発生。その園児が舞子先生のクラスということで、ショックを受けるのですが、最後には警察との連携で犯人を逮捕できるというストーリー。ミステリーとしては大した小説ではありませんが、待機児童問題、近隣住民との摩擦、保護者のモンスターペアレントぶりなど、幼稚園・保育園が置かれている状況を中心に描くスタイルは、他の小説でも同じようにみられるおなじみのもの。特に世田谷区が全国一待機児童の多いこと、その原因が近隣住民の反対によりなかなか新規に建設ができないことなど、勉強させられました。

私は杉並区住民ですが、世田谷区の境目に位置する場所に住んでおり、電車が通る騒々しい場所なので、それほど学校などの騒音は気になりませんが、閑静な住宅地となるとやはり気になるのでしょう。また、待機児童問題については、「保育園落ちた、日本死ね」の投稿で大きくクローズアップされたため、各自治体が力を入れることになった経緯がありますが、老人中心社会がさらに進行している日本において非常に大きな問題です。世の中に自分中心の老人が増えていることも、また大きな悲劇としか言いようがありません。

今日はこの辺で。