秋山真一「菅義偉とメディア」

毎日新聞記者で菅官房長官番記者を務めた秋山真一氏著「菅義偉とメディア」読了。政治部記者の政権への突込みが生温いといわれる昨今、政権に批判的と言われる毎日新聞の記者でさえ、番記者となると、いかに接近して人間関係を作るかが問われることも影響するのか、菅義偉のメディアへの対応が公平・公正である印象が読み取れてしまう著作。特に毎日行われる官房長官会見での、東京新聞望月記者への批判的な論調は、果たして実態を本当につかんでいるのか、疑問を呈する論調が気になる。確かに内閣記者クラブ主催で行われる記者会見とのことだが、大前提として政治家、特に中枢である官房長官が政府の抱える問題について記者の質問に真摯に答えるのは、国民に対する義務。それをいい加減な答弁ではぐらかす改憲に何の意味があるのか。それを糾すのが記者クラブ所属の記者たる仕事ではないのか。週刊文春にすべてスクープを持っていかれている現状を、この記者はなんとも思っていないのか。その辺のところを正直に書いてくれる方が、読者の留飲を下げるはずだ。秋山記者は1980年生まれということで、まだ若く、前任がカイロ支局勤務とのことで、経験が浅いこともあろうが、朝日新聞とともに毎日新聞にはぜひ頑張ってもらいたいものです。その新聞を支えるのが新聞記者一人一人の意気込みである。

メディアの自由度が世界的にみても非常に低いといわれる日本の現状を、何とか是正してもらうために、菅義偉首相率いる現政権を打倒する意気込みを示してもらいたいものである。

今日はこの辺で。