望月衣塑子「新聞記者」

東京新聞の看板記者、望月衣塑子氏著「新聞記者」読了。モリ・カケ事件が盛り上がっていた時期に、菅官房長官記者会見に登場し、厳しい質問をしたことから、俄然有名になった方。彼女を主人公としたようなフィクションとノンフィクション映画も作られた。

中学3年生時に母親に進められた本を読み、父親の影響もありジャーナリストを目指すことになるが、大手マスコミには採用されずに、東京新聞に入社することになる。社会部記者として経験を積み、大手からの誘いもあり転職を考え、特に読売新聞に転職することを父親に相談したところ、父親から「読売だけは賛成できない」との助言を得て、東京新聞に残っているとのこと。もし読売新聞に行ったら、彼女の才能が開花したかは疑問があり、リベラルな東京新聞が彼女の肌にあっているのでしょう。

彼女のモットーは、まさに自分の知りたい真実=読者が知りたいことを、遠慮なく徹底的に、しつこく聞き出すこと。結果的に官房長官から相当嫌われているようですが、記者クラブの範疇を超えて、是非この手法を貫き通してほしいものです。

著書の「あとがき」で、彼女の大切にしている言葉として、インドのマハトマ・ガンジーの言葉を紹介しています。

「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである」

例え周りが変わっても、自分が正義と信じたものを見失わない姿勢を彼女だけでなく、すべてがジャーナリストが持ってほしい姿勢である。

今日はこの辺で。