映画「私は確信する」

227日(土)、武蔵野館にてフランス映画「私は確信する」鑑賞。フランスで実際にあった妻の行方不明⇒殺害容疑で逮捕され、一審で無罪、検察が威信をかけて控訴したものの、ここでも無罪判決となった事件を描いたフィクション。この事件は、未だに妻の行方が分からず、解決していないとのこと。

妻の名前から「ヴィギエ事件」と呼ばれ、映画では夫の無罪を信じるシングルマザーの奮闘と、弁護士の裁判での主張風景を中心に描くが、題材からして、もう少し面白く作れたのではないかとも思える作品の出来栄え。夫妻とあまり深い関係のないシングルマザーが、あれだけ苦労してまで、何故無実を訴えるのか?と不思議なくらいですが、途中でその理由が、一審で陪審員になっていたことが明かされる。おそらく、陪審員での無罪の印象からの活動なのでしょうが、不自然さは残ります。

この映画でフランスの刑事裁判を知ることができます。一審は日本と同じように、ひな壇に裁判官と陪審員が並び、有罪無罪を陪審員が決める仕組。英米法では一事不再理で、一審で無罪ならば無罪確定ですが、フランスでは検察が控訴できる点では日本と同じ。さらに二審も陪審員が有罪無罪を決める仕組は、日本とは違います。

題名の「私」はシングルマザーを指すようですが、この映画の見せ場は最後の弁護士の最終弁論。日本では「推定無罪」は死語ですが、状況証拠のみの推定有罪を許さなかったフランスの陪審制度の良い点はよく理解できました。

今日はこの辺で。