netflix ドキュメンタリー「メディアと裁判 ビッグ・ダン」

netflix ドキュメンタリー「メディアと裁判 ビッグ・ダン」を視聴。

日本でも裁判は原則公開とされますが、法廷にカメラを持ち込むことは禁止、かつては筆記することも禁じられていました。日本の場合は、その意味で中途半端な公開ですが、アメリカはというと、裁判長が許可すればテレビ局のカメラが法廷に入り、裁判を生中継することがあります。日本の刑事裁判は起訴されれば99.9%有罪となり、法律の立て付けとは真逆の推定有罪。犯罪者をテレビ画面に映し出すことはご法度のようですが、アメリカの場合の有罪率は50%程度で、判決が下るまでは推定無罪が徹底されています。被告人はその時点では犯罪者ではないとの観点からTV中継に抵抗がないようです。また、アメリカでは法曹関係者を含めて役人への信頼度が非常に低く、逆に裁判もTVで中継して公平性を保つ意味もあるようです。

さて、このドキュメンタリーは、マサチューセッツ州の中規模の港町で起きた強姦事件がTV中継された話。22歳の女性が一人で酒場に入って、たばこを買い、お酒を飲んでいるところで、男性からいきなりテーブルの上に持っていかれ、仲間4人で店内で女性を強姦したという事件。その様子をはやし立ててみていた2人と合わせて、6人が起訴されました。普通に考えればそんなところで強姦が起ころうはずがないのに、間違いなくそこで性向が行われたようです。ただし、被告側は女性の同意があったことを主張。さらにこの町の60%がポルトガル人の移民で、被告が全員ポルトガル人であったことから、ポルトガル人への人種差別問題も絡んでいた裁判。強姦事件ですから、どのような行為が行われたのかが生々しく語られ、更に裁判官が被害女性の名前を聞き、女性が答えてしまったことから身元もわかってしまい、TV中継への疑問が出ました。裁判長は自分の責任を強く感じていた旨、番組で語っています。

犯人4人は有罪、はやし立てた2人は無罪の陪審員評決。しかし、身元が分かってしまい、ポルトガル人からのバッシングもあり、フロリダに移住。その2年後には若くして自動車事故で死亡してしまいます。犯人4人は女性が死亡4年後に釈放。

強姦など性被害にあった女性が長い間トラウマを抱え込むと言われますが、TV中継の功罪が話題になった裁判であったとのことです。

今日はこの辺で。