パンデミックの今後

日本は緊急事態制限が延長されたが、数字で見る限りは感染者数が減少傾向にあります。ただし、これから検査数が多くなった場合にどうなるかは、若干疑問があり、あと3週間の様子見です。

欧米の先進各国はピークが過ぎたとして外出命令が解除される方向にありますが、果たして第二派の感染は大丈夫なのかは、これもまた心配ではあります。

最も心配なのは新興国の動向です。その中でもロシア・ブラジルの強権政権下での感染がすごい勢いで拡大しています。いずれも、アメリカと同様に政権トップが経済活動重視で、最初はコロナへの認識が甘かった国である。両国とも先進各国のように医療体制が十分ではなく、かつ都市封鎖や外出禁止に対する国民への財政支援を取る余裕がない国。このまま放置していたら、アメリカ以上の感染拡大も考えられます。いずれ国際協力、特に中国への支援要請が大きくなるのではないかと予想されます。中国から発生し世界に拡散したコロナが、中国の国力を大きくするという皮肉なことが起こる感も知れません。アメリカでは、トランプ大統領の再選が危ぶまれてきた兆候も見られます。米中の対立はますます激しくなり、世界経済の行方はますます暗くなる可能性もあります。

さて、世界中の感染者や死者の統計を最も早く正確に発表していると言われるジョンズ・ホプキンス大学。複数の情報を一つにまとめてダッシュボードを作っている技術には感服します。世界中の国がこの統計を使っているようですが、個別に見ていくと不思議な数字がいくつかあります。その一つが日本の感染者と死者の数字。G7各国がアメリカを筆頭に英・仏・独・伊がベストテンに入り、カナダもかなり人口比ではかなり多い中、日本は極端に少ない数字。島国という特殊性なのか、あるいは清潔好きの国柄なのかと、いい意味では称賛に値しますが、検査数=分母が全く違うことを他国も認識してきたようです。もう一つ驚くべき数字はロシアの死者数。1,800人弱に張り付いたまま動かない状態。混乱して把握できないのか?それとも意図的に出さないのか?かの国では両方とも考えられますが、本当の数値は桁が違うことはまず間違いありません。

ブラジルについては、今の数字も過小ではないかと思われます。大都市には衛生状態の悪い貧民街が数多くあり、感染予防もままならない状態。今の政権が持つかどうかも注目されます。

最も正確であろうジョンズ・ホプキンス大学の統計データですが、データ源がいい加減ではどうしようもありません。アフリカはじめ発展途上国の数字もどんなものか。

我々が状況判断するうえでデータがいかに重要かを示してくれます。

日本の数字がほぼ真実に近い数字であることが証明されれば、日本の対コロナ対策は、世界的には100点満点に近い得点を与えてもいいものです。癪ではありますが、安倍政権をこの点では批判できなくなるかもしれません。

今日はこの辺で。