映画「レ・ミゼラブル」

フランス映画「レ・ミゼラブル」を新宿武蔵野館で鑑賞。フランスはイギリスとともに、帝国主義真っ盛りのころに世界に植民地を開拓し、戦後植民地が次々に独立したものの、北アフリカを中心に移民としてフランスに定住し、今では有色人種を含めて移民大国となっています。サッカーのワールドカップでは、代表のほとんどが有色人種であり、一時イタリアなどからフランス代表ではないような論調も聞かれました。

この映画の冒頭は、前回ワールドカップのフランス代表の優勝を熱狂的に祝う場面から始まります。そこで狂喜しているのはアフリカ系や中東系の人たちががほとんど。物語の舞台はパリではなく、パリ近郊の中都市のような感じがしました。

その町の警察官として配属された主人公(明確な主人公ではない)が、他の2人の警官とともに不良少年が集まる大きな移民団地のようなところをパトロールし、同僚二人の暴力的な態度を違和感を持って接する。そんな中、一人の警官がゴム中を少年の顔面に向け発男子たことから騒動が始まる。そこで描かれるのは、警察官と言う権力を笠にした暴力と、発砲したことをなんとか隠そうとする隠蔽行動。貧困移民者やムスリムたちを黙らせるには暴力しかないという恐ろしさ。

これがフランス社会の実態ではないのでしょうが、大規模テロを経験しているフランス社会のある一面を描写している気がします。

最後は少年たちの警官への復讐が始まりますが、これに対してある意味、観客は少年たちの側に立って応援してしまう感情を味わいます。

この少年たちに明るい未来が訪れるのか、最後はだれもわからない結末暗示しています。

今日はこの辺で。