映画「ガーンジー島の読書会」「FUKUSHIMA50」

7日の土曜日は映画ニ題鑑賞。

ギンレイホールにてイギリス映画「ガーンジー島の読書会」鑑賞。コロナウィルス騒ぎでギンレイホールのいつもと比べて観客は少な目。今後どこかの映画館が感染場所となった場合は、全国の映画館での上映自粛なり、上映禁止措置などが考えられますが、まずはそうならないように願います。また、上映禁止措置などが発せられる「緊急事態宣言」は可能となるような法案には断固反対したいもの。政権は憲法の緊急事態条項の予行演習的に行う可能性もあり、国民としては厳しく注視していく必要があります。

映画は新しい知識を与えてくれる媒体でもありますが、今回はガーンジー島の存在。この島を含むいくつかの小島を総称してガーンジーと呼び、外交・国防を除いては一種の独立国のような存在で、EUにも加盟していなかったイギリスの領土。紀元前6500年前まではフランスと陸続きだったらしく、フランス領だったとのことですが、紀元933年にイギリス領となった模様。

そんなガーンジー島の試練は、第二次世界大戦中のナチスドイツによる占領。ドイツのフランス選良と同時にドイツ軍が占領し、終戦までドイツ支配が続く。そんなドイツ占領時代に、島で小さな読書会が開かれていたことを終戦後にある島の人間から手紙で知ったイギリス人の女性作家が島に渡り、当時の島で発生したドイツ兵による女性逮捕・移送事件の真相を追っていくストーリー。女性記者の恋愛状況なども描きながら、女性の行方を追うミステリーも含んで、期待していなかった分、楽しめる作品でした。

7日午後は、新宿TOHOにて{FUKUSHIMA50」鑑賞。3.11福一原発事故時、3号機の爆発と2号機の圧力上昇に伴い、最後に残った東電社員50人の活躍を描く、いわば英雄物語。英雄度を際出たせるため、当時の首相や官邸と東電本店を徹底的に悪者に仕立て上げたストーリー展開。原発の格納容器爆発による東日本壊滅状況に立ち向かった50名の話は今までもかたられてきましたが、実話に基づくある程度はフィクションとして描かれているのではないか。ただし、映画ではその辺の説明は一切なし。ある意味、当時の民主党政権の対応のひどさを強調しているような感じも受けました。この辺は、現在のコロナウィルス騒動における安倍政権の対応がどう語られるのか、興味があります。

この映画の場面で、危機的状況に陥った時点で吉田所長が50名を残して、残りの社員を退避させる場面が出てきます。これがのちの朝日新聞での「吉田調書」の誤報につながる場面と言われるところです。映画では、はっきりと安全なところで退避してくれと支持し、勝手に退避する場面はありません。朝日新聞は、政府が非公表としていた吉田調書を、これをきっかけに公表した経緯があります。実際には吉田所長の支持が現場に徹底されなかったというのが真実のようで、記事自体は若干早とちりではあったのですが、記事が全否定されるほどのものではないのではないかと感じた次第。

映画自体は英雄物語によくある汗と涙の物語ではありますが、これを完全なノンフィクションととらえるのは危険な気もしました。

今日はこの辺で。