慰安婦と徴用工問題

日韓関係が戦時中の徴用工に関する韓国大法院の判決以来、日本の貿易規制と、逆に韓国のGSOMIA未更新などの、お互いの報復措置によって、戦後最悪と言われるけなくな関係に陥っています。

土曜日に川崎にて、慰安婦問題に関するシンポジウムがあり、南武線武蔵中原まで行ってまいりました。慰安婦問題は徴用工と同じく、戦時中に日本人によって強制連行され、一方では日本兵の性奴隷として悲惨な環境におかれ、一方では劣悪な労働環境に置かれて、強制労働を強いられたという、いずれも植民地支配のもとで日本人が韓国人に対して今でいえば非人間的なことをしたことが問われています。それに対して日本は、慰安婦問題については、強制はなかった云々と言い訳しつつも、非公式的な形に謝罪と金銭で片付け、徴用工に関しては、1965年の日韓請求権協定で解決済みと言うばかり。

さて、土曜日のシンポジウムには、ご存命の慰安婦経験者の方が韓国から来日し、パワー十分に訴えられていました。私を含め、つくづく今の日本人は歴史認識が不足していることを認識した次第です。

さて、徴用工問題についてですが、YouTubeで20年ほど前のNHKスペシャルで貴重なフィルムを見つけました。強制連行労働者は韓国だけではなく、台湾、中国からも多数日本国内の労働現場に連れてこられて、悲惨な労働環境の中、たくさんの方が犠牲になったのですが、1990年代から2000年代にかけて、中国の遺族の方が日本の会社を訴えていた事実です。日本の裁判所は事実は認めたものの、すでに時効のため企業に責任を取らせることはできない旨の、逃げの判決をしていましたが、企業は個人賠償について個別に折衝していたことが事実としてありました。こうした事実が、いつの間にか韓国については請求権協定で解決済みとされてしまっていることには大きな疑問を抱かざるを得ません。個人賠償は決して終了はしていないという認識を日本政府も企業も持っていたことは事実です。これを踏まえて、日本は自分の都合のいいように解釈して、高飛車に対応するのではなく、話し合いで解決することが筋だと思うのですが。

今日はこの辺で。