映画「もう一人の息子」、「少女は自転車に乗って」

3月29日(土)、ギンレイホールにて、映画「もう一人の息子」、「少女は自転車に乗って」鑑賞。
2本とも日本ではなじみのないアラブ世界の映画で、感慨深く鑑賞しました。
「もう一人の息子」は、ユダヤ系フランス人監督の作品で、日本映画「そして父になる」と同じシチュエーション。但しこちらはイスラエルパレスチナという民族対立をはらむ作品。病院で取り違えられた子供はすでに18歳。それもイスラエル人とパレスチナ人。ユダヤ系とはいっても、西欧風な見かけの人もいれば、アラブ系の顔の人もいるということで、血液検査で判明するまで何の疑いも持っていなかった感じです。しかし、いざ判明してしまえば、人種対立が前面に出てくるのはやむを得ないこと。それでも母親二人は冷静に対応し、二人の息子に対してなんら偏見を持つことなく接する、この母性のすごさに感動。
「少女は自転車に乗って」は、サウジアラビアの映画で、極めて希少な逸品。厳格な学校に通う主人公の少女ですが、厳しい規律に方ぐるしさを感じていて、反抗的な態度をとります。そんな少女は自転車を買うために一生懸命に勉強し、コンクールで優勝。その賞金で自転車を買いますと言ったとたんに賞金は寄付されることを強要されます。しかし、お母さんが自転車を買ってくれるのですが。
少女のお母さんがとっても魅力的な女性ですが、サウジは一夫多妻の世界。夫がほかに夫人を持つことに対してなんら逆らえない社会。結局この映画は、そうした社会を批判し、女性の自立をうたっているのかと、最後に気づいたしだい。
珍しい国の映画を二本見られて、収穫がありました。
今日はこの辺で。