東横イン事件

耐震偽装ホテルの次は違法改造ホテル。東横イン事件は、社長の記者会見でのお粗末な対応を含めて、まことに情けない事件です。障害者用の客室をつぶしたり、展示ブロックを取り外したり、駐車場を客室に改造したりと、やりたい放題です。儲けるためには何をしてもいいという発想がありありと伺えます。何故こうまでして客室を増やそうとするのか。答えは1つ、薄利多売の経営だからです。今、東横インのほかにも全国展開している格安のビジネスホテルが増えています。これらのビジネスホテルは、知恵を絞ってサービス競あつ争を展開し、客を奪い合っています。このこと自体は資本主義社会にあってなんら否定されるものではありません。しかし、こうした薄利多売ホテルの経営を支えているのは、安い建築費と安い労働賃金です。そして安い建築費からは耐震偽装問題などが生まれ、安い労働賃金からは過重労働が生まれています。それでも経営者は必死になって利益を追求し、悪循環はとどまるところを知りません。我々ビジネスマンにとっては、格安ホテルのおかげで出張費を節約でき、それはそれでいいのですが、一方では私のような建設業に身をおく者にとっては、安い建築費で会社は泣かされています。
東横インの社長は、最初の記者会見では違法改造を大したことないようなことを言っていましたが、昨日の会見では、今にも泣きそうな顔をして、「私が悪いのです。私の責任です。私がワンマンでした・・・」としきりに反省の言葉を並べていました。でも、私にはあれはポーズにしか見えませんでした。そして、ヒューザーの小嶋社長の言動の変化に重ねてしまいました。2人はうり二つです。結局彼らは自分を守りたいだけなのでしょう。
東横インについては、一日も早く営業停止のような重い罰を下してほしいと思いますが、一方ではそれによって職を失う人のことを考えると・・・、複雑な気分になります。
今日はこの辺で。