映画「サーミの血」「午後8時の訪問者」「

先週末の映画三題プレビュー。
土曜日午前中は武蔵野館にて「サーミの血」鑑賞。1930年代のスエーデンが舞台。北欧先進国でも先住民族がいて、彼らに対する差別があったことを初めて知る。
サーミ人スカンジナビア半島北部、ラップランドに居住する先住民族アメリカインディアン、北海道のアイヌ民族と同じ立場でしょうか。
サーミ人はトナカイなどの狩猟・放牧を営み、かつてはテント生活を送っていたのですが、映画の舞台である1930年代はまだテントで今日中していたと思われます(ただし、現在ではほとんどが定住)。
サーミ人として生まれた姉妹。姉は差別されるサーミ人からの脱出をひたすら思い、勉学に励み、強引なやり方もいとわずに、スエーデン人に同化していく一方、妹はサーミ人として生きていく。映画は、その姉を描くのですが、厳しい差別、迫害を受けながら教師となり、スエーデン人に同化していく(ただし、同化していく過程は映画では描かれませんが)。
かつて西部劇が盛んに作られていたころは、インディアンは野蛮な先住民として描かれることが普通で、見るほうは本当にそれが真実のように思ったものですが、後から来た西洋文明人に破壊されていった先住民の歴史は闇の中でした。戦闘場面などはありませんが、サーミ人とて同じように文明に追いやられていった民族といっても過言ではないのか?
土曜日に午後は、「午後8時の訪問者」をギンレイホールにて鑑賞。ベルギーのダルデンヌ兄弟が手掛けた社会派ドラマということですが、どうもこういった哲学的?な映画は苦手。小さな診療所に夜の8時にベルが鳴ったものの、応対せず、ベルを鳴らしたアフリカ系の若い女性が死体で発見されたことから、勤務していた女性医師が責任を感じて、その女性の身元捜しを始める。そして犯人が最後にわかるのですが・・・・。ここで、なぜこの人が犯人なの?あまりにも唐突すぎる結末。これで観客が納得するのか、疑問の残る作品でした。
日曜日はシネマート新宿にて、朝鮮戦争を描いた「オペレーション・クロマイト」鑑賞。
リーアム・ニーソンマッカーサーを演じて、貫録ある演技。ただし、主役は仁川上陸作戦を有利に進めるためにスパイとして送り込まれた韓国人部隊の方。事実に基づいたフィクションとのうたい文句だが、ほぼフィクションではないかとも思います。
1950年に突如として金日成率いる北朝鮮が韓国に攻め込み、あっという間に占領状態に。ここに国連軍が組織され、仁川上陸作戦を敢行し、38度線まで押し込むのは歴史的事実ですが、スパイが暗躍したのが事実なのか?それでも、今の北朝鮮情勢が緊迫する中、朝鮮戦争の歴史を振り返るいい機会になりました。
今日はこの辺で。