米澤穂信「ボトルネック」

米澤氏の2006年の書下ろし作品「ボトルネック」読了。コロナ感染したため、体調がすぐれず、読書にも身が入らず、久しぶりの読了作品。

米澤氏の原点が中学生や高校生を主人公とした作品群(古典部シリーズなど)ですが、本作も中高校生シリーズ。

嵯峨野リョウという中学生が、異次元の嵯峨野家にスリップして、リョウの代わりに生まれた嵯峨野サキと出会い、同じ父母から生まれた異次元の家庭で、サキという好奇心旺盛で頭脳明晰な姉のような女性に出会い、異次元ながら同じものと違うものを比較したりしながら、行きつく先は二人の友達であるノゾミさんやフミカさんとの関係の危うさなどが語られる。ミステリー要素は、リョウの住む世界で亡くなったノゾミさんが、サキの世界では、サキの友達となって生きているのであるが、実は誰かに狙われているという謎解きをサキが見事に解いていく場面か。

ボトルネックとは、瓶の細くなっている部分のことで、社会的用語としては狭くて流れが悪くなっていて、弊害が生じているような状態とでも解する言葉だが、本作ではどこがボトルネックになっているのか?ちょっと判然としない気がしました。

今日はこの辺で。