映画「すばらしき世界」

西川美和監督、役所広司主演と聞くだけで観たくなる日本映画「すばらしき世界」を59日(日)、下高井戸シネマにて鑑賞。

同じヤクザが主人公の直近作「ヤクザと家族」もなかなか良い作品ではありましたが、本作も素晴らしい映画。ただし、本作の主人公が本物のヤクザとは言えない、人がいいが、短気がゆえに度を越した暴力をふるってしまう男の更生の日々を描く。柚木裕子原作の映画「孤狼の血」の刑事役をやった役所広司の方がよっぽどヤクザと言える印象。

「ヤクザと家族」同様に、ヤクザが生きにくい姿を描きながらも、周囲の善意な人たちに恵まれて、これから介護職員としてまじめに生きていく人生が送っていこうとしている寸前の、自らの病による死。決して刑務所には戻りたくないという決意があってこその更生人生。再犯率60%とも言われる現状の通り、ヤクザ者や懲役囚が生きづらくなっている現代社会にあって、一般市民から見れば恐ろしい存在と思われても仕方がないが、彼らが出所後、何とか更生していく道筋が見える社会であってほしいという思いを西川監督は描こうとしたのか。その思いが「すばらしき世界」という題名に反映されているのかもしれない。

今日はこの辺で。