北陸温泉めぐり旅行

JR東の大人の休日倶楽部パスを利用した旅行、今回初めて北陸新幹線利用したパスで北陸3県を巡る旅に、12月5日(土)、妻と出かけることに。政府は三密や移動を避けるように呼びかける一方、観光・飲食業界の景気対策として移動と三密を誘導しかねないGOTOキャンペーンを強行。言っていることとやっていることが真逆で、結果的に人間心理をリスクから遠ざけ、感染拡大を誘発している可能性があるという批判はあるのですが、旅行好きの身にはやはり大幅な割引は魅力があり、10月以来二回目のGOTOトラベルとなりました。

北陸3県、福井、石川、富山は、第一波の時はかなり感染者が出たのですが、今の第三波では全国的にも感染者が少ない地域。冬は常に曇りがちになり、海風で湿気も多く飛沫感染も少ないという説もありますが、少なくとも東京よりは安全地帯。各施設・旅館も万全の対策を取っている実態を見てきました。

初日は東京発6:28発はくたかで金沢乗り換え福井着。妻のリクエストに応えて永平寺参拝。建物内見学コースは残念ながら閉鎖されていたのが残念でした。やはりコロナの影響のようでした。昼食の手打ちおろしそば二種(そばつゆと生醤油)は絶品。

予定より早めに福井に戻り、福井城跡見学。今は県庁が建っているのですが、越前67万石の大大名で、家康の次男でもあった松平秀康の居城で、駅からも近いことから、県庁ではなく天守閣を再建していれば、福井の観光のシンボルにもなったはず。今回行った金沢城跡や富山城跡が広大な公園になっていて、建物も一部再建されていることを考えると、残念な選択でした。

初日の宿泊地は石川県の粟津温泉法師旅館。20年近く前の大阪勤務時代、社員旅行できたことがある温泉地ですが、当時はもっと栄えていた気がします。コロナの影響以前に、社員旅行などの団体旅行が減少しているのも大きな要因でしょう。「法師」は1300年以上続くといわれる老舗温泉旅館で、ギネスにも載ったということですが、ネット情報によれば、コロナ前の今年1月に運営会社が特別清算命令を受けたとのこと。運営は引き続き関連会社がしていますが、こうした老舗旅館も、苦しい経営状態が続き、コロナがそれに輪をかけているという現実があります。

かなりの客室数を誇る旅館ですが、団体旅行が自粛されている中、頑張ってほしいものです。老舗旅館らしく、サービスや食事、お風呂には満足しました。

二日目の観光地は金沢。当日は日曜日で、GOTOの影響もあるのか、金沢は観光客で賑わっていました。私は何度か来ていますが、妻は初めてということで、まずは兼六園見学。見事な庭園は文句の言いようがなく、隣の金沢城武家屋敷町と観光。武家屋敷町で昼食を取ったのですが、ここでハプニング。前に一人でビールを飲みながら食事していた中年男性が、食べ終わってから突然注文していないものが出てきたというようなクレームを大声でがなり立てたのです。お店の方は平謝りでしたが、「右翼を馬鹿にして」というようなことを言っていたことから、嫌がらせだったのか。金沢市内でも右翼の宣伝カーが演説していましたが、自ら右翼と名乗ること自体、おかしな男でした。

ここから更にハプニング。それは私のタイムマネジメントの失敗なのですが、昼食のお店を出て、香林坊からバスで金沢駅に向かったのですが、道はかなりの渋滞で信号待ちばかり。和倉温泉行きの特急列車に間に合うかどうかぎりぎりの時間。何とか特急の出発時刻前に駅に到着。私が全速力で預けていた荷物をコインロッカーに走って取りに行く最中に妻が私を見失い、離れ離れに。駅改札から携帯で呼び出し何とか妻と出会い、電車発車前1分弱でぎりぎりセーフ。己を恥じた一瞬でした。

二日目の宿泊地は、憧れの和倉温泉「加賀屋別邸松の碧」。「松の碧」への宿泊にも事前に苦労がありました。折角のGOTOトラベルなので、一度は「加賀屋」に泊まりたいということで、本体の「加賀屋」を楽天で申し込んだのですが、申し込んだ当時は東京発着が該当外の時期。その後10月から東京も対象になったのですが、一度キャンセルしないと対象にならないのが楽天でした。ただ、JTBは契約済みのものも対象になるという理不尽な扱い。GOTOトラベルは、実質的にJTBが取り仕切っていたという証拠のようなもの。そして、楽天を取り消すと加賀屋の部屋は予約できない状況にありました。JTBの店舗に行ったり、加賀屋に電話したりと、あらゆる手立てを探しましたが、本店への宿泊は困難。そこで、JTBで格安の「松の碧」を予約した次第。

同じグループなのでサービスは同じ。中学生以下の宿泊不可という、大人の旅館でもあり、大いに日本一のサービスを満喫しました。前日宿泊の「法師」はかなり建物も古かったのですが、部屋の広さは15畳+寝室(ツイン別途)+前室と、かなり広かったのですが、こちらはコンパクト。それでも十分な広さとツインベット。アメニティーは一品一品が格段の品質。バスタオルは使い放題。新聞は部屋に常備、翌朝は配達。そして何より従業員のサービスが徹底されていること。相当な教育の賜物でしょう。GOTOトラベルは高額旅館の恩恵が大きいと言われますが、確かにDOTOがなければなかなか私のようなものは宿泊できない旅館であり、いい思い出になりました。

なお、チェックイン時にまたもトラブル発生。地域共通クーポンは今までは全て紙ベースだったのですが、るるぶは電子クーポン。私はてっきり紙と思っていたのですが、担当の若い女性従業員の方に言われどっきり。それからスマホを取り出し予約メールからクーポンを獲得しようとするのですが、ログインできず大汗。結局部屋でその女性に教わりながらなんとかゲット。30分以上も助けていただきました。感謝です。

時間を取ってしまい、温泉街の散策ができずじまいで妻から顰蹙を買う羽目に。それでも本格的にお茶の先生から抹茶のサービスを初めて受け、心を落ち着かせることができました。

夕食・朝食も素晴らしいもので、日本一の旅館のサービスを満喫しました。ただ、女将の挨拶か何かあるかと思いましたが、それはなく、迎えや見送りも質素なもの、過剰サービス感は感じませんでした。

翌日は和倉温泉から富山市に向かい、市電に乗って岩瀬浜へ。展望台に上り、その後歴史的町並みを散策。昼食は「御休処 政太郎」で「白海老かき揚げ丼セット」。富山湾名物白海老のてんぷらは絶品のお味でした。

さてここからが再度のタイムマネジメントミス。妻は三日目に帰宅するため、新幹線指定席を予約済みだったのですが、その時刻を私が勘違いしており、市電が間に合わず。またもや面目丸つぶれ。今の新幹線は自由席の方が空いているので40分待ってもらい次の新幹線で帰ることに。私は次の宿泊地「氷見温泉郷」に向かいました。

富山から高岡経由氷見温泉郷へ。10年ほど前に来たことがあるのですが、その時宿泊した旅館がいまいちでしたが、今回は評判のいい「うみあかり」という旅館。旅館と言っても建物はホテル。氷見駅から送迎車で旅館へ。送迎車の運転をされたのは女性で、いろいろと話をしてくれました。特にコロナについては、先に述べたようなことを教えてくれました。4~5月は休業を余儀なくされたようですが、その後はGOTO以前から客足が回復傾向で、お忙しいとのこと。その言葉通り、月曜日ながらお客さんが多いのに驚きました。特に若い方も多く、人気旅館のようです。お風呂は外に岩風呂があり、白濁のお湯に野性的な岩の配置で、いい湯でした。また、建物内の大風呂と露天風呂からは海が見渡せるロケーション。そして、食事がこれまた最高で、海の幸を堪能しました。この日は一人なので、海側のカウンター席での食事でしたが、晴れていれば最高なのですが、夜から翌日はあいにくの雨。

翌日はそんな雨の中、道の駅に立ち寄り、旅館でもらった氷見市独自の買い物クーポン2,000円分と地域クーポンの残り1,000円を使い海産物商品購入。氷見市のクーポンは、宿泊5,000円以上1,000円、10,000円以上2,000円分。各地方が経済振興で工夫していることがわかります。購入後はリュックサックが満杯でかなりの重量。

富山に戻り、最終日の目的地は八尾。おはら風の盆で有名な古い町並みに足を延ばすこと。リュックはコインロッカーに預け、高山線越中八尾駅下車。10年前にも来たのですが、これほど遠かったかと思うほど歩き、やっとも目当ての街並み「諏訪町通り」へ。雨の中で、見かけるのは地元の数名。こうした古い町並みを残していくことは、建て替えもままならない中、住民の方はどうしているのか気になるところですが、聞く当てもなく時間に間に合うように氷見駅まで戻る。今度は余裕のある時間で、逆にもう少し街並みをゆっくりすればよかったと後悔。

岩瀬海岸近くの海鮮問屋のある街並み、そして八尾の諏訪町通り、いずれにも地元金融機関である北陸銀行富山第一銀行、富山信金などの金融機関が店を連ねていました。

氷見から富山に戻り、最後の1時間で富山城跡を見学、4日間に及ぶ北陸旅行は終わりました。

今日はこの辺で。