子どもたちをよろしく

3月14日、日本映画「子どもたちをよろしく」を渋谷のユーロスペースで鑑賞。この日は前川喜平さんが寺脇研さんと共同企画した作品で、上映後に前川さんが座談会をされるということで、久しぶりにユーロスペースに行きました。

映画自体は、確かに救いのないラスト。経済的、精神的に劣悪な家庭環境にいる二人の中学生を中心に、親に依存せざるを得ない子供たちの苦悩を残酷に描かれます。この映画には学校や役所は出てこず、家庭と同級生ぐらい。制作趣旨として、あえて学校は出さなかったとのことです。描かれるのは、同級生によるいじめ、貧困、家族内の虐待・暴行、ギャンブル・アルコール依存、借金苦など、格差社会で未来のない、貧困が連鎖するような現代社会の暗い要素を織り込み、それが子供たちに大きなしわ寄せを招いている姿を、これでもか、これでもかと描きます。唯一の救いがあるとすれば、ラストで家庭内暴力などに苦しんでいて、一方ではいじめをしていた中学生が、自死した中学生をいじめていたことを告白している場面。彼は少なくとも弱い人間に手を差し伸べる人生を送ってくれるのではないかと思った次第。監督や企画者の意図は、答えは出さずに、映画を鑑賞した人に考える余地を残したというものでした。

上映後に、前川さん、隈田監督、中学生を演じた椿三期さんが登場して座談会。その後、前川さんとお茶して歓談する機会もありました。前川さんは高い演壇で講演をたくさんしていますが、我々庶民と対しても極めて温和で誠実で真摯な方。私もいくつかの質問をしましたが、心配していたのは、彼が強烈に政権批判をして、かつ影響力もかなりあるので、全国を飛び回っている中で身の危険を感じないかと言うことでしたが、今のところそれは感じないとのこと。

これからも是非政権批判や教育について語っていっていただきたいと思います。

今日はこの辺で。