星浩「永田町政治の興亡 権力闘争の舞台裏」

元朝日新聞記者で、テレビキャスターを務める星浩著「永田町政治の興亡 権力闘争の舞台裏」読了。

平成の30年間の歴代政権の権力闘争をわかりやすく回顧できる作品。

30年前の昭和から平成に移行する時期は、バブル経済真っ盛りの時期であり、三角大福中と言われた派閥領袖の権力闘争の終焉の時期でもあり、政治化改革が声高に叫ばれた時期でもありました。5年間近く続いた中曽根政権から、田中派を乗っ取った竹下登が中曽根の指名を受け首相になった時期。小渕官房長官が「次の元号は平成です」と記者発表した時から平成が始まりました。長期本格政権と思われた竹下政権は、リクルート事件でぼろぼろになり、あえなく2年弱で退陣。その後の政権も小泉政権まで短期政権が続くことになります。ただし、短期政権は続きましたが、今の安倍政権のような閉塞感はなかったように感じます。一つ言えることは、自民党にはもう少しダイナミズムと言うか、いい意味での反逆精神のある政治家が多かったように思います。政権に不祥事があればそれを批判する党内反逆者がおり、自浄作用が働いていたような気がします。小沢一郎のような、時には自民党を牛耳っていたものの、党を割って出て行った者もいましたし、加藤紘一のように、森政権に我慢がならず「加藤の乱」を起こした人もいました。それが今は見つかりません。平成の時代を会社員として生き、それなりに時事問題に興味を持ちながら来た私にとっては、非常にわかりやすく、楽しい著作でもありました。歴代首相と、その周りの人間たちの生々しい生き様が垣間見えるようでした。

今日はこの辺で。