翔田寛「冤罪犯」

翔田寛の作品は、かつて「誘拐犯」を読んだことがありますが、それ以来の久し振りの作品、「冤罪犯」読了。7年前、2件の幼女連続誘拐殺人事件が発生し、犯人がなかなか捕まえられない中、エース刑事が犯人を逮捕。その際に、犯人の1回目の家宅捜索では発見されなかった犯行時に目撃されていた赤い衣服が2回目の家宅捜索で発見され、その衣服に幼児が持っていた縫いぐるみの羽がついていたことから、それが決定的な証拠となり死刑判決となり、獄中で自殺。その犯人は公判では一環として無実を主張していたことから、冤罪の可能性を残した事件であった。そして7年後に似たような事件が発生。果たしてこの事件は模倣犯なのか?7年前の犯人が冤罪で、真犯人が再犯したのか?そして、真犯人の再犯であったなら、警察・検察・裁判所の大失態となってしまう。それが怖さに警察上層部の動きが怪しくなる中、犯人が特定され対決の場面が・・・・。

冤罪と証拠捏造は袴田事件を思い起こすが、終幕は案外あっさりとしていて、巨悪が暴かれる展開を期待したのですが、残念な幕引きに感じました。

今日はこの辺で。