二つの死

2022.07.08(金)は、永遠に国民に記憶の残る日になってしまった。安倍元首相が参議院選候補者の応援のために訪れていた奈良市で、41歳の元海上自衛隊員の凶弾に倒れ死亡した事件が発生。7.08元首相銃撃事件として、歴史の一ページに加えられるのではないか。首相を退いたとはいえ、最大派閥の代表を務め、ロシアのウクライナ侵攻以降、核保有だ、敵基地攻撃能力だ、防衛費倍増だと、大きな声がやたらに目立った元首相。まだ68歳で、トランプが復活したら首相に復活するのではないかとの観測もあったような人物だが、凶弾に倒れてしまった。私は決して安倍ファンではなく、どちらかと言うと毛嫌いしている人物だが、凶弾に倒れたのは残念でならない。日本の危機がここから始まるのではないかとの危惧があるからだ。安倍にはまだ解明されていない疑惑がたくさんあるのであるが、全て雲散霧消、そんな疑惑の人物が凶弾に倒れ、悲劇のヒーローとなってしまったのである。明後日に選挙があるが、自民党は弔い合戦となり、断然有利な立場に立った。一人区総取りの可能性もある。2/3の絶対多数は間違いなく、改憲勢力が3/4以上になる可能性もある。世間は安倍さんの悲願である改憲を後押しする雰囲気が盛り上がり、すんなり改憲が行われてしまうかもしれない。安倍は決して凶弾に倒れてはいけなかったのだ。残念でならない理由はそこにある。

もう一つの死は、私の自宅の目の前で電車の人身事故が発生し、どなたかが亡くなったこと。自宅の目の前だったので午後8時過ぎの時刻だったので暗かったのですが、外に出て駅員さんが停車中の電車のレール部分を覗いているところ。その死体は踏切から10mぐらいのところにあり、「ここにいた」という声があったので、見つかったようでした。明日の朝刊にちょこっと出るかどうかの死ですが、亡くなった方に何があったのか?人間の死という点では同じですが、やはりヒエラルキーで死の大きさには差別が厳然と存在することを実感する。

今日はこの辺で。