映画「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」「スイング・ステート」

ギンレイホールにて映画二大鑑賞。

アメリカ映画「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」は、アメリカの巨大化学企業「デュポン」が、テフロンを作成する過程で発生する有害物質を川に流したり、地中に埋めていたことから、近隣住民や家畜に多大な被害を及ぼしていることを知りながら、長い間放置し、政府の環境局も見逃していた公害事件を、証拠を発掘して訴える弁護士の気の遠くなるような戦いを描いた骨太の映画。アメリカ版水俣病との戦いを描く。水俣病も、チッソという一企業城下町ゆえに、長い間病気と廃液との因果関係が隠されて、裁判になってもなかなか企業側が認めない構図が被害を拡大したが、デュポンの場合も、アメリカ特有のロビー活動を行い、企業が政府機関に圧力をかけて、裁判の難しさが浮き彫りになる。一人の弁護士の粘り強い戦いがなければ、住民は水俣と同じように、うまいこと騙されて少額の和解金で黙らされていたという可能性も非常に大きい事件。正義は決して簡単に実現できるものではないことを思い知らされます。

同じくアメリカ映画「スイング・ステート」は、2016年アメリカ大統領選で民主党ヒラリー・クリントン選挙参謀を務めた男が、地方の田舎町の町長選候補者の参謀を務め、同じくトランプの参謀を務めた女性との代理戦争的な選挙戦を繰り広げるドラマ。大統領選と同じ構図が一地方の町で繰り広げられることから、選挙資金も大量に舞い込み、熾烈な戦いが繰り広げられるというコメディーだが、昼食後の鑑賞になったことから前半~中盤の部分がほとんど眠気に襲われ理解できず、肝心のストーリーが分からないまま後半に目が覚める。この町長選は実はお金を集めて厳しい町の財政を立て直すためのお芝居のようなものであることが最後に明かされるところがミソ。そして、法律上これは問題のない行為であることも語られる。

話はそれるが、アメリカでは2021年1月6日の議事堂襲撃事件の公聴会がテレビ中継もされて盛り上がっているようだが、トランプを未だに支持している共和党の議員たちは今何を考えているのか。次々とトランプの悪行が明かされる中、まだ彼を支持して次の大統領選にも担ぐのか?もしそんなことがあったなら、アメリカの民主主義は終焉したと言わざるを得ないのではないか。

今日はこの辺で。