第1シリーズ10話に続いて、第2シリーズ10話を速攻で視聴。
エイブリー事件がこのようなドキュメンタリーになった端緒は、ディレクターが冤罪で18年間服役したスティーブン・エイブリー氏が警察・検察に3,600万ドルの損害賠償を行った直後に、彼の敷地を訪ねた女性写真家が殺され、逮捕されたことに疑問を思ったことでした。二人の監督がこのドキュメンタリーを手掛けていますが、まさに迫真に迫る物語で、フィクションをはるかに上回る迫真力があります。
第2シリーズは州控訴審で敗れたエイブリー氏の弁護を、過去の18件の冤罪事件を雪冤した女性弁護士、キャスリーン・ゼルナー氏が引き受け、現場重視かつ理論的な弁護をしていく姿を描きます。
一方では、当時16歳で多少知能の遅れた甥で共犯として逮捕されたブレンダン・ダシーの冤罪を晴らす別の弁護士の活動も並行して描かれます。
ゼルナー弁護士は、証拠関係を精査し、冤罪を確信し新証拠を探すと同時に、真犯人も名指しで指摘し、上訴するのですが、その壁は極めて高く、今回も棄却。
ブレンダンの方はといえば、上訴審で2回再審を勝ち取るものの、最後で逆転。
我々視聴者から見ると、まず間違いなくこれは証拠がねつ造された冤罪事件なのですが、なぜ裁判官はこれを認めないのか?
袴田事件をはじめ、どう見ても冤罪と思われ、一度は再審が認められたものの、控訴審で棄却されたと同じように、いかに高い壁かがこのドキュメンタリーを見てよくわかります。
このドキュメンタリーのすごさは、みんなが実名で顔出しで出て聞くるところ。特にゼルナー氏がエイブリー氏の身内を犯人として名指しまでするところは、個人情報がうるさい日本では信じられないところ。
第3シリーズができるのかどうか、今のところ情報がありませんが、是非とも作っていただきたいものです。
今日はこの辺で。