飯塚事件の深い闇

昨日(10月6日)、袴田事件の学習会があるということで、清瀬カトリック教会に行ってきました。袴田さんが収監中、カトリックの巡礼を受け造詣を深めたという縁で、カトリック教会が袴田さん再審の運動をしており、学習会などを開いているのを初めて知り、参加しました。

昨日は、福岡の「飯塚事件」の再審弁護団の共同代表になっておられる徳田靖之弁護士が、飯塚事件の再審請求について語ってくださいました。

飯塚事件は1992年に二人の女児が殺害・遺棄され、2年以上たって久間三千年さんが逮捕され、死刑判決が最高裁で確定し、確定2年後に死刑執行されてしまったという事件。現在は奥さんが再審請求しているが、一審・二審とも請求棄却、最高裁で審議中案件となっている。

この事件の証拠はいずれも状況証拠的なもので、DNA鑑定、目撃証言、車内の繊維編はいずれも捏造などもうかがわれ、証拠能力に乏しい疑いがあるのですが、一番の問題は既に死刑が執行されてしまったこと。もし再審を認め、無罪となったら、刑事司法という国家権力が無辜の一般人を殺してしまったこと、すなわち国家による殺人を認めることになり、かつ死刑制度の見直しに関わることになります。徳田弁護士は、もっと早く再審請求していたら死刑執行はなかったという自責の念に駆られ、75歳の今も久間三の無実を晴らそうと頑張っておられますが、袴田事件のように全国的な支援がないことに悩んでもいらっしゃいました。

「疑わしきは被告人の利益」が全く通じない司法の世界には、深く大きな闇が存在するとしか言いようがありません。

今日はこの辺で。