青木理「日本会議の正体」

青木理著「日本会議の正体」読了。安倍晋三をはじめ、現政権のほとんどの閣僚、政治家が会員となっている右派政治団体であり、なんとなく胡散臭いような雰囲気のする団体。そんな団体に実態に迫るべく、青木氏が関係者を取材して書き上げたのが本著作。

戦前に谷口正春が立ち上げた宗教団体「成長の家」を源流として、現在では右派の有力なロビー政治団体として、安倍政権を絶好の機会ととらえ、その右派思想、すなわち天皇崇拝、戦前回帰的な日本の形を作ることが「美しい日本」を実現するためにはぜひとも必要と考える、いわば危険思想団体。青木氏に言わせれば、現憲法下の国民主権基本的人権の尊重、平和主義に敵対する悪性ウィルスのような団体であります。そんな団体に国会議員の4割(ほとんどが自民党)が会員となり、「美しい日本の憲法をつくる」ことを運動をしていることには違和感を禁じえません。

「成長の家」の活動家であった人が事務局を務め、神社庁がバックアップして、戦前の神道の復活を図るため、日本会議元号法制化、国旗国歌法制定、教育基本法改定を成し遂げ、ついには憲法改悪を安倍政権で成し遂げようとしています。

安倍晋三は、「安倍三代」で青木氏が描いたように、岸信介の孫ではありますが、その生い立ちからは右派的な思想は見受けられなかったのですが、やはり日本会議の右派思想に染まったのでしょう。そして安倍政権と言う格好のチャンスをつかんだ日本会議が、ここぞとばかりに憲法改悪運動をけしかけている構図も浮かびます。

それにしても、今の日本の政治が、安倍・麻生・菅と言う三大悪人の支配下にあることは何と不幸なことでしょう。新型コロナウィルスの感染が広がるはずです。一日も早くここから抜け出さなければ、日本は法治国家ではなくなってしまいます。

今日はこの辺で。