佐藤正午「身の上話」

先日直木賞と受賞した佐藤省吾さんの「身の上話」読了。宝くじで2億円当たったミチルが遭遇する殺人の身の上話、そのミチルと結婚することになるバスの運転手の身の上話など、普通でない出来事を隠すことになる人たちの話が盛り込まれていますが、ミステリーとして読むのであれば警察を馬鹿にしているようなストーリー。どう見ても最初の殺人が行われた後に、殺された男の消息が絶たれたことから、まず疑われるのがミチルであるはずなのに、警察が訪ねてきた形成が語られません。その後に2件の殺人が行われるのですが、これもしかり。これだけ失踪者が出てくれば当然に疑われてしかるべきなのですが、失踪者は全国に五万と要るので警察は捜査しないということなのか。それにしても、最後の方で突然にミチルの結婚相手となる心優しい運転手の男が出てきて、ここにも殺人があったなんて、話が支離滅裂っぽいのですが。
そんな訳で、初めて読む佐藤正午作品は、長編なだけで、いまいちというところでした。
今日はこの辺で。