映画「大人の事情」「私はダニエル・ブレイク」

昨晩はイタリア映画「大人の事情」をシネマカリテにて鑑賞。
旧知の3組の夫婦と一人の男が、月食の夜に集まって夕食会を開き、各自の携帯電話をテーブルに置き、着信をみんなにさらけ出すというゲームを始めるストーリー。携帯電話が普及し、各自の秘密がいっぱい詰まったその電話をみんなの前でさらけ出すというのは、一種の秘密暴露となることを描くのですが、とにかく会話が面白く、イタリア映画らしい会話劇。特に同じ機種であることから、携帯を好感したことから始まる喜劇調の出来事から始まり、最後は深刻な話になっていくストーリー展開は目が離せない展開。舞台劇にしても面白い話です。場面はほぼ一ヵ所に限定され、夜の数時間の話ですが、こうした面白いストーリーが出来上がるとは。拾いものの一作でした。
本日は新宿武蔵野館にて「私はダニエル・ブレイク」鑑賞。
かつてイギリスはゆりかごから墓場までといわれた福祉国家でしたが、財政の悪化などもありサッチャーの経済改革が進み、福祉政策も厳しい状況になったのでしょう。
主人公のダニエル・ブレイクは心臓の病気で仕事はドクターストップ。収入が亡くなったため失業給付や生活保護(日本的な名称に置き換え)の申請するものの、申請自体がネット申請になり、パソコンの扱えないダニエルは一苦労、電話をかけて相談するものの、コールセンターには長時間繋がらない、あるいは申請の役所に行けば手続き論で門前払いなど、ストレスがたまる一方。彼の体はそんなストレスでむしばんでいき、最後は悲劇が・・・・。
ケン・ローチ監督は、弱者の立場に立った視点で、現代イギリス社会の問題点を浮き彫りにしました。
今日はこの辺で。