映画「ニュースの真相」「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」

本日は、日比谷TOHOシャンテにて映画二題鑑賞。初めて行き映画館で、最新のシネコンかと思いきや、古い2スクリーンの映画館。座席も狭く二本の映画鑑賞はきついのですが、よさそうな映画で、一本目が終わってすぐにほかのスクリーンで始まるタイミングのため、思い切って続けて観ることに。
結果は正解で、2本とも社会性があって、見ごたえのある作品でした。
「ニュースの真相」はブッシュ元大統領の再選時の彼に対する報道に関する実話に基づく作品。共和党のブッシュと民主党ジョン・ケリー候補が争った大統領選。この時期にCBSテレビの記者たちが追いかけたのがブッシュの軍隊経験詐称問題。物証や証言が得られたため、勢いよく放映したものの、証言者が嘘をついていたことが分かり、関係者は全てテレビ局を去ることに。指揮を執ったケイト・ブランシェット扮する女性プロデゥーサーは解雇に。ブッシュ問題は解明されないまま、ブッシュは再選され、その後の4年間、アメリカを導くことに。
ケイト・ブランシェットが秀逸の演技、そしてロバート・レッドフォードアメリカの良心を代表するような、テレビのアンカーマン役。日本のメディアに対する政治圧力が問題になっていますが、自由の国アメリカでも同じようなことが繰り返されているということでしょう。ケイト・ブランシェットは、おそらくこの演技でアカデミー賞候補となるでしょう。
「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」は、第二次大戦後に冷戦が始まり、赤狩りが全米で始まり、映画界でブラックリストに上がった男の物語。
ダルトン・トランボは有名な脚本家だが、共産党に所属し、映画界の労働者の待遇改善にも積極的に活動していたが、赤狩りは彼を刑務所に。出所して食べていくために仮名で脚本を書き、「ローマの休日」でアカデミー賞も獲得する。ただし、まだ本名を名乗る状況にはなく、ただひたすら脚本を書く生活。
映画にはジョン・ウェインエドワード・G・ロビンソンも登場し、ジョン・ウェイン赤狩りの急先鋒、ロビンソンは裏切り者役。
それでも「ローマの休日」がトランボの作品といううわさが広がり、カーク・ダグラス、おっとー・プレミンジャーらが彼のもとに脚本を頼みに来る。そして、赤狩りも下火となり復権するのですが、最後の演説では、どれだけ本人・家族がいわれのない罪で苦労したかが語られます。赤狩りを題材にした映画は前にも見たことがありますが、この作品も骨のある映画でした。
今日はこの辺で。