映画「くちびるに歌を」「悪童日記」

昨晩、日本映画「くちびるに歌を」鑑賞。五島列島の小さな島に中学の音楽の臨時教員として赴任したピアニストの女性が、学校の合唱クラブの指導をすることになる。しかし、この教師は、自暴自棄になっている様子で、生徒たちを突き放すばかり。ところが、合唱部の女生徒と男子生徒の境遇を知り、かつ触れ合うことになり、次第に心を開いていき、真剣に合唱部を指導することになる。
小柄な男子生徒の役をやった子がとてもかわいく、かつ素直な性格で、自閉症の兄を愛情深く面倒見ている姿が印象的であり、女性教師もこの男子生徒の姿に心を打たれることに。そしてもう一人の女生徒の、父親に捨てられたという告白にも、感銘を受ける。こうして、ピアノを弾けなかった彼女がやっとピアノを弾けるようになり、自分の殻を破っていくストーリーは、映画ではありふれたものでしょうが、やっぱり感動させられるものです。主演の新垣結衣はすっかり素敵な女性になって、好感度抜群。
とっても心温まるいい映画でした。
本日はギンレイホールにて「悪童日記」鑑賞。第二次大戦中の、ドイツ軍支配下の東欧のある国(ハンガリー?)が舞台。大きな都市に住む双子の兄弟は、母の実家に疎開することに。そこには魔女と呼ばれる祖母がいて、二人をこき使い、逆らうと暴力をふるう。祖母の暴力と、戦争という暴力が双子の兄弟を次第に変えていくことになる。そんな日常を父親からもらった日記帳に描いていく。そして最後は、終戦後に収容所にいた父親が返ってくるものの、その父親を犠牲にして一方は西側へ、そしてもう一人は東側に残り、決して離れることがなかった二人が離れて自立していく様子が描かれ映画は終わる。
非常に難解で示唆に富むラストでしたが、要は戦争という暴力によって、子供もその暴力の犠牲になり、その暴力に対抗すべく体と精神を変化させ、自分もまた暴力の世界に入り込んでいく恐怖を描いていると思いましたがいかがでしょうか。
今日はこの辺で。