映画「リスボンに誘われて」「誰よりも狙われた男」

本日ギンレイホールにて映画二本鑑賞。
リスボンに誘われて」は、日本の題名からすると、恋愛映画と思いきや、サスペンスタッチの作品。原題が「NIGHT TRAIN TO LISBON」なので、直訳すれば「リスボン行夜行列車」でしょうか。この映画での収穫は、ポルトガルの70年代まで続いた独裁政権を知りえたこと。ポルトガル大航海時代に先陣を切って海外に進出し、植民地をたくさん持ったことは知っていましたが、それを戦後も引きずり、特にアフリカの植民地政策を失敗し、国力に似合わない植民地支配を行ったことから、国内政治も混乱し、サラザールによる長い独裁政権が続いてしまったことを初めて知りました。そんな独裁政権にほんろうされた70年代までのポルトガルを、今日まで引きずっている人がおり、そんな暗い過去を探っていくスイス人教師をジェレミー・アイアンズが演じていました。それと、この映画には懐かしい俳優が二人、一人はシャーロット・ランプリング。彼女は70年代の「愛の嵐」や「さらば愛しき人よ」で強烈な印象を残した人。もう一人はクリストファー・リー。彼は言わずと知れた吸血鬼俳優。かつてのドラキュラもすっかり老人になっていました。
もう一本は「誰よりも狙われた男」。半年くらい前に武蔵野館で見た映画ですが、本日二度目の鑑賞で更に映画の面白さが増しました。丁度イスラム過激派の事件が日本人にも及んだこともあり、タイムリーな作品。ドイツ、ハンブルグイスラム教徒が密入国し、彼を追うドイツの諜報機関の主人公をフィリップ・シーモア・ホフマンが演じ、彼の遺作になりました。ホフマンの演技はまさに迫力観点で、この役を演じたがために命を縮めてしまったのではないかと思えるほどの熱演でした。もう一人は、レイチェル・マクアダムス。私がいま最も好きな女優さんですが、アバウトタイムの可憐さもいいですが、この映画での弁護士役も素晴らしい出来でした。
今日はこの辺で。