三浦しおん「まほろ駅前多田便利軒」「風が強く吹いている」

三浦しおんの直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」読了。三浦しおんの作品は「小暮荘物語」に続いて2作目。いま最も売れっ子の一人で、映画やドラマに引っ張りだこの原作の作家だけあって、すぐ次が読みたくなる作品でした。
過去に傷を持つ多田はまほろ駅前で便利屋を営んでいて、そこにかつて学校の同級生だった行天が居候となって住み込み、便利屋を手伝うという筋書き。多田は行天に弱みがあり、無下に追い出すこともできないのですが、そんな二人の間に次第に友情のような感情が芽生えていきます。映画は見ていませんが、個性的な二人が織りなす物語は映画の格好の題材。
「風が強く吹いている」は、箱根駅伝を題材にした青春小説。これもまた映画化されている小説。おんぼろアパートに住む学生10人で箱根駅伝に挑戦するという、ちょっと無理な話ではありますが、個性的な10人を題材にして、夢を実現しようという若者の青春を描きます。
陸上経験があるのが数人で、なおかつ定員ぎりぎりの10人の部員しかいない設定はいかにも無理がありますが、それはそれ、物語としては違和感なく読めます。
最後の東京~箱根間10区間を走る10人の物語は、箱根駅伝の感動そのものでした。
今日はこの辺で。