奥田英朗「純平、考え直せ」

奥田英朗「純平考え直せ」読了。奥田英朗らしいユーモアと人生観をたっぷりと味わえる作品。
新宿歌舞伎町でヤクザとして暮らす21歳の純平。その人柄から、歌舞伎町界隈では人気者の彼が、ヤクザの親分から、別組の幹部を殺す鉄砲玉になるように命じられる。男を上げるために快諾した彼の三日間を描写する。そこに出てくるのは、歌舞伎町で遊び回る素人の女の子達、ヤクザな刑事、元大学の老教授、ゴールデン街のスナックのママ、そして大切な兄貴などなど。
最も現代的な描写は、彼の鉄砲玉の行動をネットで言い合う描写。あわよくば、このネットの言い合いから彼が鉄砲玉にならずに済むのでは?との期待もしたのですが・・・・
上下関係が絶対のヤクザ社会と、最も自由にものが言えるネット社会をうまく活用した面白い小説でした。
ヤクザといえば、先週北野武の「アウトレイジ ビヨンド」を鑑賞。前作以上のバイオレンスが展開します。そして、幹部連中は全て死んでしまうという、後がない映画。ただし、たけしだけは死んでいないので、もしかしたら続編があるかも。
三浦友和加瀬亮を極悪ヤクザに採用したたけしの配役の妙が光る映画でした。
今日はこの辺で。