吉田修一「パレード」

吉田修一の初期作品「パレード」読了。2DKのマンションで4人の男女(各2人)がルームシェアし、その4人プラス1人の少年の話が章を分けて語られる。
21歳の大学生良介、23歳の無職の美人女性琴美、24歳の職業レディ未来、18歳の途中参加の居候サトル、そして28歳のまともなサラリーマン直樹。なぜ彼らがルームシェアしているのかは読んでいるうちに分かりますが、少なくとも男女間に肉体関係がないのは読み取れ、不思議な空間がそこにあります。各自の話が淡々と語られるのですが、一番まともと思われる28歳直樹の章で突然変なことが起きてしまう。何か伏線があったのか、前に戻って読み返しても、わかりません。あまりにも突然で、必然性が見当たらないのです。
やっぱり何回か読まないと理解できない小説なんでしょうか。
少なくとも、私にはそれほど面白い小説には思いませんでした。
今日はこの辺で。