天童荒太が3年ほど前に「悼む人」で直木賞を受賞しましたが、その続編「静人日記・悼む人供彳瀕察
亡くなった人の情報を集め、亡くなった場所に行き、近隣の住民や知人の話を聞き、亡くなった人が愛したこと、愛されたことを胸に刻み、ただひたすら故人を悼む旅を続けている静人青年の旅を日記風に書いた作品。当然にこうした行為を直ぐに理解する人は少ないものの、よく説明することにより、何となく理解され、なくなった人のよかった面を聞き出してしまう静人。その姿は、小説を読んでいても痛いたしさを感じてしまう。
ときには誤解され殴られることもあり、大変な苦行でもあります。
こうした修行僧のような悼む旅の中で、珠玉の出会いがあり、貴重な会話や体験があります。そうした中で、「こんな悼む旅はやめなさい」ときっぱり言った年輩女性の言葉が印象に残りました。静人自身も常に疑問がある中で、それでも旅を続ける頑なさ。
彼の旅がいつまで続くものなのか。
今日はこの辺で。