演劇二題

二週続けて演劇鑑賞。
6月30日(土)は、三軒茶屋野村萬斎主演の「薮原検校」。江戸時代、盲人社会の中で成り上がっていく男の悪行を描いたものですが、さすがは狂言師野村萬斎、長台詞を狂言調に迫力ある口調で演じていました。井上ひさしの原作によるものですが、「めくら」という言葉が使われます。言葉狩りでもしこの言葉が使えない芝居になったら、この芝居自体が成り立つのかな?とふと考えました。こうした演劇や映画などの分野での言葉規制はかんがえものではありますが、この演劇がテレビ放映されることがある場合は、物議をかもすかもしれません。
話がそれましたが、芝居の中身はすばらしいものでした。
7月6日(金)は新国立劇場で「温室」観劇。前日の朝日新聞夕刊でも劇評が載っており、かなり期待しましたが、中身は私には難しすぎました。どちらかというと難解なカフカ的な世界の話。精神を病んだ人を収容する病院(収容所)を舞台に、所長や専門職といわれる職員が主人公で、収容されている人間は数字で呼ばれる非人間的な扱い。こんな収容所を牛耳る所長の人間性を問題にしていると思いきや、部下の専門職もつかみどころがない不思議な世界。ラストは一人を除いて所長以下専門職が全て殺されるという話で終わるのですが、それが仕組まれたことなのかどうかも暗示的で、摩訶不思議。
やっぱり芝居はもっと分かりやすい勧善懲悪が私にはあっているようです。
今日はこの辺で。