宮部みゆき「人質カノン」

宮部みゆきの短編「人質カノン」読了。読み進むうちに、かつて読んだことがあることを思い出しました。
表題作ほか、全7編収録。私が気に入ったのは「八月の雪」。いじめグループからのいじめがきっかけで交通事故にあい、片足を失った少年。すべてに気力を失った少年が、祖父の死と遺書めいた言葉をきっかけに、自分を見つめなおし、立ち直り始めるというストーリー。いじめ問題は重松清も得意とするところですが、小説的に書きやすい面があります。
同じくいじめをテーマにしたのが「過ぎたこと」と、「生者の特権。前者では、この少年は本当にいじめられていたのか?という余員が残りました。そして後者では、恋人に裏切られた女性といじめられ少年のほのかな関わりに心多々たまりました。
今日はこの辺で。