連城三紀彦「飾り火」

先週に引き続いての連城作品、「飾り火」読了。文庫本の上下巻、トータル750pほどの長編。
上巻を読んでいて、ここまでの悪女がいるのか?と思うほどの妙子の悪女ぶり。中年の既婚者の男の惚れて、その男の家庭を崩壊し、男を自殺に追いやった女が、また同じことを、主人公の夫婦の家庭に入り込んで騒動を巻き起こし、家庭を崩壊させていくストーリー。読んでいて、これほどの悪女が本当に世の中にいるのか?と、憎々しくなるほど。
しかし下巻の半ばを過ぎると、実は・・・・
妻の美冴、夫の芳行、悪女の妙子、息子の雄介、娘の叶美、美冴の浮気相手の村木。皆普通ではない個性で描かれ、普通ではない夫婦や親子関係が語られるのですが、あまりにも突拍子もない、延々と理由付けばかりを並べたような印象があり、中身はイマイチか。
それでも、面白いため、あっというまに読んでしまったのはどうしてか?
悪女振りがあまりにも爽快だったからかもしれません。
今日はこの辺で。