海道尊「ジーンワルツ」

海道尊のおなじみの医療もの、「ジーンワルツ」読了。
少子化もあって、今の日本、特に地方では産婦人科医療が壊滅的な状況になっているという話しは、マスコミでも話題になっています。三重県のある町の病院では、産婦人科医がいなくなり、急遽5,000万円近くの報酬を払って医師を雇ったとの報道。しかし、その勤務の厳しさは並大抵ではなく、すぐに辞めていった?との記憶があります。
そんな日本の産婦人科の状況を織り込みながら、一人の女性産婦人科医が厚労省や大学病院を敵に回して奮闘する本作。権力を敵に回して孤軍奮闘する理恵先生に対して、つい応援したくなる小説です。
一方で、この小説では生命の誕生の神秘も教えてくれます。出産時に胎児が産道を回転して出てくるという事実を初めて知りました。
それにしても役所がここまで日本の医療を崩壊させたのかどうかは定かではありませんが、地方の医師不足や経営難は解消されるのか?
理恵先生のような勇気ある改革者に期待するしかないのか。
今日はこの辺で。