映画「ゼロの焦点」

昨晩、松本清張生誕100年記念作品と銘打った映画「ゼロの焦点」鑑賞。若干の期待を胸に抱いて観たのですが、期待は裏切られました。
この小説の持つ時代性、社会性が全く描かれていません。これは脚本、演出の責任でしょう。野村芳太郎の名作「砂の器」に比べるのはかわいそうですが、原作的には同じような重いテーマがある小説。それが全く軽い作品になってしまいました。
もう一つは末広涼子の配役。全くのミスキャストで、これもまた映画を軽くしています。「おくりびと」もミスキャストでしたが、それ以上。彼女は「バブルへゴー」のような軽いコメディーしか似合いません。清張の社会小説の映画化には絶対に似合わないことを、プロデューサーや監督は知っているはずなのに何故使うのか?理解できません。本気で客をよべる女優と思っているのか。
中谷美紀も広末と並んだおかげで少し漫画チックになっていました。唯一の好演は木村多江。一途に恋人を思う女を見事に演じていました。
清張の原作は、もうちょっとうまく描いてほしかったものです。
今日はこの辺で。