連城三紀彦「白光」

連城三紀彦「白光」読了。最初からどんどん引き込まれる語り口。何となく東野圭吾の「白夜行」に似た雰囲気が漂います。
4歳のあどけない少女が何者かに殺され、その家族や親戚、知人がそれぞれに独白していくと言う展開。実際に誰が殺したのかが最後までわかりません。そこにあるのはどろどろとした家族関係、人間関係であり、たとえ親子、兄弟でも心を許しあえない不幸な関係が存在します。いってみれば救いがない小説。でも、ぐいぐい引き込まれるのは何故でしょうか?連城の小説のうまさでしょうか。「恋文」には及びませんが、不思議な小説として記憶に残る作品でした。
今日はこの辺で。