小路幸也「東京バンドワゴン」

小路幸也東京バンドワゴン」を読む。古本屋を営む親子四代が住む大家族の心温まる話。79歳の勘一爺さん、60歳の我南人父さん、35歳の藍子さん、12歳の花陽ちゃんなどなど、たくさんの登場人物が、それぞれに個性的なキャラクターで登場し、春夏秋冬、四つの連作短篇で描かれます。
我南人父さん、35歳の藍子さんともに、なかなかのやり手?というか何と言うか、ともに秘密があり、それが明かされるのですが、そんなに簡単に明かされていいの?と思ってしまうくらい、ちょっと軽めで過ぎるところはありますが。
「冬・愛こそすべて」は、我南人さんと愛人との間に生まれた青の結婚式を控えた話。吉永小百合のような超有名女優が青の生みの母親なのですが、結婚式に出るために周りがいろいろと工作するのですが。最後は出来すぎのような展開でめでたしめでたし。
こうした、悪人が全く出てこない話も時にはいいですね。
今日はこの辺で。