伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」を読みました。昨年度の本屋さん大賞を受賞した話題作。
首相暗殺の容疑をかけられてしまった(警察権力によって?)青柳雅春と、彼のかつての恋人である樋口晴子の二人のストーリーを平行に進め、最後にどんな接触があるのかと期待を持たせて話が進みます。青柳は警察権力に執拗に追われるものの、特異なバイペレーヤーに救われ、最後の方では樋口晴子にも救われます。最初は読みにくかったのですが、中盤以降は本屋さんが推奨するとおり、どんどん引き込まれました。
伊坂幸太郎は、この作品で直木賞のノミネートを断ったとのこと。直木賞騒動で著作活動に集中できなくなると言う理由で。横山秀夫とは若干ニュアンスが違いますが、過去に4回か5回ノミネート経験がある伊坂としては、審査員へのあてつけもあるのでしょう。
ただし、この作品で受賞していたかは甚だ疑問。「現実味がない」だの、「推理小説としては未完成」だのと、つまらない批評の基に落選していたかもしれません。
伊坂には今後更なるよい作品を望みたいところです。
今日はこの辺で。