重松清「カシオペアの丘で」

重松清の「カシオペアの丘で」をやっと読み終えました。「やっと」というのは、読んでる期間に人事のことで問題が起こり、小説を読んでいても内容が頭に入らなかったため、何度も前に帰って読み直したため。とはいえ、この小説は、重松作品にしては少し長すぎて(上下巻あわせて690ページ)、冗舌ではないかと思える部分もありました。
北海道の夕張を思わせるような街、北都を舞台にして、かつての同級生、シュン、トシ、ユウ、ミッチョの4人と彼らを取り巻く人たちの物語。主人公が誰なのかがはっきりしない点を含め、何を訴えようとしているのかが掴みにくいところがあります。
がんに侵されたシュンの現実と回想が中心に展開しますが、トシやミッチョの話もちょっと中途半端、倉田千太郎という大人物の話も中途半端。
長編過ぎるのと、そのため焦点が絞りきれていないことが、読後感を薄くしたように感じました。
今日はこの辺で。